「相続に強い弁護士」とは?


よくお電話で「相続に強い弁護士に依頼したい。」とお問い合わせを頂きます。少しでも良い結果を得られるように「強い」弁護士を求めるのは当然のことと思います。検索すると「相続に強い」ことを掲げているサイトも少なくありません。しかしながら当事務所は「相続に強い弁護士」という表現は使用しておりません。その点で不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

一口に相続といっても様々な問題があります。遺言や遺産分割等の裁判手続以外にも保険,税務,事業承継,民事信託などが複雑に関連して,複数の専門家で取り組む課題があるケースも少なくありません。
また,「強い」ことを客観的に判断する方法がなく,客観性が担保されないまま,各弁護士が自分の判断で「強い」ことを謳う広告が行われることは国民の信頼を害する結果となりかねません。
日弁連では弁護士の広告に関する規程を設け,その指針の中で「専門分野」の表示について非常に慎重な見解(下記に一部引用)を示しており,「強い」ことの表示も「専門分野」の表示と同じ問題をはらむと考えられます。
このような事情がある中で,漠然と「相続に強い」と表記することについて当事務所として躊躇を覚えざるをえませんでした。
以上の次第で当事務所は「相続に強い弁護士」との広告は行っておりませんが,依頼者の皆様に頼んで良かったと思って頂けるよう,相続事件の難しさ,奥深さに対して真摯に向き合って研鑽して参りますのでご理解のほどよろしくお願いいたします。

弁護士の業務広告に関する規程


(禁止される広告)
第3条 弁護士は,次の広告をすることができない。
1 事実に合致していない広告
2 誤導又は誤認のおそれのある広告
3 誇大又は過度な期待を抱かせる広告
4 困惑させ,又は過度な不安をあおる広告
5 特定の弁護士若しくは外国法事務弁護士又は法律事務所若しくは外国法事務弁護士事務所と比較した広告
6 法令又は本会若しくは所属弁護士会の会則及び会規に違反する広告
7 弁護士の品位又は信用を損なうおそれのある広告
 

弁護士及び弁護士法人並びに外国特別会員の業務広告に関する指針(一部抜粋)


12 専門分野と得意分野の表示

(1) 専門分野は、弁護士情報として国民が強くその情報提供を望んでいる事項である。一般に専門分野といえるためには、特定の分野を中心的に取り扱い、経験が豊富でかつ処理能力が優れていることが必要と解されるが、現状では、何を基準として専門分野と認めるのかその判定は困難である。専門性判断の客観性が何ら担保されないまま、その判断を個々の弁護士及び外国特別会員に委ねるとすれば、経験及び能力を有しないまま専門家を自称するというような弊害も生じるおそれがある。客観性が担保されないまま専門家、専門分野等の表示を許すことは、誤導のおそれがあり、国民の利益を害し、ひいては弁護士等に対する国民の信頼を損なうおそれがあるものであり、表示を控えるのが望ましい。専門家であることを意味するスペシャリスト、プロ、エキスパート等といった用語の使用についても、同様とする。
-以下略-

13 広告中に使用した場合、文脈によって問題となり得る用語

次に掲げる用語は、広告中に用いる場合には、文脈により、事実に合致しない広告、誤導又は誤認のおそれのある広告、誇大又は過度な期待を抱かせる広告等に該当することがあるので、これらの用語の使用については十分注意しなければならない。
(1) 「最も」、「一番」その他最大級を表現した用語
(2) 「完璧」、「パーフェクト」その他完全を意味する用語
(3) 「信頼性抜群」、「顧客満足度」その他実証不能な優位性を示す用語
(4) 「常勝」、「不敗」その他結果を保証又は確信させる用語


弁護士の業務広告に関する規程(全文)
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/rules/pdf/kaiki/kaiki_no_44.pdf
弁護士及び弁護士法人並びに外国特別会員の業務広告に関する指針(全文)
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/rules/pdf/kaiki/kaiki_g
 

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