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遺産分轄調停の流れについて

山下江法律事務所

目次

遺産分轄調停の流れについて

兄弟で母親の遺産分割について話し合いをしているのですが、過去の話を掘り返され、全く話が前にすすみません。早く解決したいので、遺産分割調停を申し立てようと思うのですが、遺産分轄調停ではどのように話し合いがすすめられるのでしょうか。教えてください(男性50代)

 ご相談いただいた事例のように、相続人間で遺産分割の話がまとまらない場合、相手方の住所を管轄する家庭裁判所又は合意で定めた家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てて、調停の中で話し合いをすることができます。
 遺産分轄調停では、間に調停委員が入って話をすすめてくれるのですが、お互い弁護士がついていない場合、特に話し合いの順番を決めず、お互いが言いたいことを言い合って話し合いがすすめられることがあるようです。しかし、この方法だと駆け引きが横行して話が前に進まなかったり解決寸前で紛争が蒸し返されたりして調停が長期化するおそれがあります。
 弁護士が依頼を受けた場合、問題となる論点に順番をつけ、一つ一つの論点を解決しながら話をすすめることが多いです。話し合いの順番としては以下の流れが一般的です。

①まず、相続人の範囲を確定します。たとえば、被相続人に養子がいる場合、養子縁組は無効であると主張されることがあります。調停で解決できない場合は、調停を取り下げ、訴訟を提起することになります。

②次に、被相続人に遺言があったかどうか確認します。遺言書があってもその有効性や解釈に争いがあり、調停で解決できない場合は、訴訟を提起することになります。

③遺産分轄協議書の有無・内容を確認します。調停で解決できない場合は、訴訟を提起することになります。

④遺産の範囲を確定させ、何をわけるかを決めます。使途不明金は遺産ではありませんが、当事者間で合意がとれれば、調停内で話し合いがすすめられる場合があります。

⑤遺産の評価を合意します。不動産の評価について争われることが多いです。合意ができない場合は鑑定が行われることがあります。

⑥各相続人が相続する割合を計算します。相続人の中に遺産の前渡しとしての贈与を受けたものがいたり、被相続人に対して特別の貢献をした者がいたりした場合、その者が相続する割合を調整します。話し合いで解決できないときは、裁判官が判断する手続(審判)に移行します。

⑦最後に、誰が何を取得するか決めます。話し合いで解決できないときは審判に移行します。

 遺産分割協議・調停は闇雲に行うと時間だけが過ぎ、解決に至るまで長期間を要するということが往々にしてよくあります。当事務所では、相続問題を多く取り扱っておりますので、遺産分轄に関してお悩みの方はお気軽に当事務所にご相談ください。

執筆者

渡辺晃子

福山支部長/弁護士(離婚チームリーダー)

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