相続・遺言のご相談なら広島最大級の

広島最大級の弁護士事務所、山下江法律事務所のロゴ

前妻の子にも遺産を分ける必要があるか

なやみよまるく~江さんの何でも法律相談~
2015年12月25日放送分
前妻の子にも遺産を分ける必要があるか
相談者 38歳/女性

Q: 今月は、相続・遺言について、みなさまから番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は38歳の女性の方からのご相談です。
「私と夫は共に再婚同士、夫には前妻との間に二人の子どもがおり、私には前の夫との間に息子が一人。
その息子を連れて、再婚しました。
息子は私が籍を入れる際に、夫と養子縁組をして、家族となっています。
そして夫との間にも娘が産まれて、現在は4人家族です。
夫の前妻とその子どものことは、私は殆ど何も聞いておらず、もちろん会ったこともありません。
今回、教えていただきたいのは、この先、主人に万が一のことがあり、相続をしなければならない際に、前妻の子どもたちは相続人としての権利があるのかどうかということです。
というのも、遺産相続は子ども全てに平等にある…ということを聞いたのです。
夫が離婚をしたのは、私と出会う前で離婚をする際に、今後の養育費として一括で慰謝料を渡したと聞いています。
私としては、全く知らない人たちで、今後も会うこともないだろう人たちです。
養育費を払ったことを理由に、相続を免れる…なんてことはできないのでしょうか?
しかも、前妻とその子どもたちが現在、どこに住んで、どのような生活を送っているのか、私はもちろん、夫も知らない状況なので、相手側も、私たちの所在を知らないはずです。
このような状況で、遺産相続の権利を知ることは可能なのでしょうか?
今すぐ…ということではありませんが、今後、いつかはこの問題にぶつかる時が来る…その際にあたふたすることの無いよう、今からいろいろな知識を蓄えておきたいと思っています。
具体的に困っている状況ではないので、弁護士さんに話を聞きに行くのも躊躇しており、番組の中で取り上げていただけると、同じような悩みを抱えている方にも参考になるのかなと思い、メールを送りました。
よろしくお願い致します。」

というご相談です。
なるほど、離婚率が高くなっている昨今、再婚カップルも多いでしょうから、このような問題に直面している方もいるかもしれませんね。
今週は、相続に関するおさらいとして、相続人は誰になるかという点を中心に教えていただきたいと思います。
江さん、よろしくお願い致します。

A: わかりました。
確かに、再婚をしている方が、過去の結婚相手やその人との間の子どもについて、関りを一切持っていないという人は多いでしょうね。

Q: そうですよね。
ただ…相談者のこの方もメールの中で触れているように、別れた相手との子どもでも、夫の子どもには変わりなく、全ての子どもが平等に相続する権利があるというのは、本当ですよね?

A: その通りです。
では、相続人は誰がなるのか・・・「相続人の確定」について、少しお話しますね。
相続人の確定は、亡くなられた方、これを被相続人といいますが、この被相続人の出生からの身分が分かる戸籍謄本の交付を請求し、調査するところから始まります。
今回の相談者は、だんな様と前妻の間に子どもがいたことをご存知でしたが、何も知らされていなくて、いざ、相続手続きを…と戸籍を調べてみたら、知らないところに子どもがいた…なんてこともあるのです。

Q: こうして、必ずわかるようになっているのですね。
万が一、子どもが居た…ということになると、子どもが別の戸籍に入っていたとしても、相続の権利はあるということですよね?

A: はい。
遺産を相続できる人、いわゆる相続人は、民法に定められており、法定相続人と言われます。
相続できる親族の範囲と順位が決められていて、配偶者がいる場合、いない場合などで相続のパターンが決まります。
例えば、今回のご相談のパターンだと、法定相続人は、妻である相談者、そして子どもたちとなります。
この場合の子には、養子、非摘出子、胎児も含まれます。

Q: ということは、やはり、夫の前妻との子どもも含まれるということになりますね。

A: はい、そういうことです。

Q: ちなみに、他のパターンも教えていただけますか?
 配偶者が居て、子どもがいない場合の法定相続人はどうなるのでしょうか?

A: まず、配偶者は、常に相続人となります。
それ以外については、第一の順位が、先ほどお話した、子ども。
もし、子どもが既に亡くなっていた場合には、孫に移ります。
孫も死亡していた場合はひ孫になります。
次に第二順位ですが、子どもがいない場合は被相続人の父母となり、両親がいない場合には祖父母が相続人となります。
そして第三順位ですが、子ども、孫、ひ孫、両親、祖父母もいない場合には、兄弟姉妹…というように、変わっていきます。

Q: なるほど、兄弟姉妹は、とても近い存在の割には相続人としては遠い存在になるのですね。

A: そうですね。
相続は、被相続人を中心にした図にした場合、配偶者を除き、縦の関係が近く、横の関係は少し遠い存在となるんです。

Q: さて、相談内容にあった夫の前妻との子どもも法定相続人であることが分かりました。
では、次に、居場所も連絡先も知らない場合、被相続人の死亡を知らせるのは困難となりますが、この場合はどうすればよいのでしょうか?

A: 居場所がわからないから知らせることができなかった。というのは認められません。
法定相続人が確定したら、次に遺産分割協議に進みますが、この際、法定相続人全員に遺産分割協議の開始を通知しなければならないことになっています。
法定相続人全員に通知できない場合には、遺産分割協議は成立せず、遺産の分与が出来ないという事になります。

Q: これはかなり大変な作業ですね。
例えば、連絡が出来ず、遺産分割協議をしてしまった…という場合はどうですか?

A: 遺産分割協議は、法定相続人全員の同意がなければ成立せず、一部の相続人の同意を欠いた分割協議は無効です。

Q: これは知らせようとしたけど、結局連絡がつかなかった…なんていう理由では許してもらえないのでしょうね?

A: 当然です。
理由はどうであれ、関わりがどうであれ、勝手に遺産分割協議を進めることはできません。
勝手に拒否することもできません。

Q: メールの中にあった養育費を払ったので、それで相続を拒否してもらうというのも…できないのでしょうね。

A: それも無理ですね。
もし、それを理由に相続を拒否してもらいたいのであれば、きちんと話をして、相手側に相続を放棄してもらうしかありません。
その依頼を呑むか否かは相手次第ですから、強制はできません。
いずれにせよ、連絡を取り、遺産分割協議の開始を知らせないと前には進みません。
ちなみに、夫が遺言に、前妻の子には相続させないと残したとしても、兄弟姉妹を除く法定相続人には「遺留分」という最低限の取得分があることは14日のこの番組でも述べたとおりです。

Q: そうでしたね。
基本、遺産分割協議は、相続人同士の話し合いによって解決を図ることになるわけですね。
協議をしてもまとまらない場合には、やはり裁判所での調停へ…ということになるのでしょうか?

A: そうですね。
万が一、協議が整わない場合には、家庭裁判所に調停・審判を申し立てることになります。
そして、協議が整う、あるいは審判が確定すると、遺産分割の実行となり、名義変更等を実施して終了する。
これが大まかな相続の流れとなります。

Q: 相続と一言でいっても、完了するまでの手続きは膨大で、しかも複雑ですね。
先ほども出たように、きちんと調べなかったり、わからないから…と連絡をしなかったり、何かの手順を飛ばしたり…ということは、あってはならないのが相続手続きなんですね。
分からないことや、トラブルが想定される場合には、弁護士など、法律の専門家に相談した方がいいですね。

A: そうですね。
ちなみに当事務所には、NPO法人相続アドバイザー協議会認定会員の相続アドバイザーが2名います。
この相続アドバイザーや弁護士に対する相談は無料です。
どんな小さな不安や悩みにも、お応えできる体制を整えていますので、是非、お電話ください。

閉じる