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相続(その3)

山下江法律事務所

 前回のコラム(2012年1月20日掲載)では,「相続人の範囲・順位」についてお話ししました。
 今回のコラムでは「数人の相続人が共同で相続する場合に,各相続人がどういう割合で相続することになるのか」(これを「相続分」といいます)について,お話しします。

1 指定相続分  

 被相続人(亡くなった方)は,生前に遺言で共同相続人の相続分を指定したり,第三者に指定を委託することができます。これを「指定相続分」といいます(民法902条1項)。
 ただ,被相続人が遺言で共同相続人の相続分を指定したりすることは多くないことから,「相続分」といえば,下記2の「法定相続分」のことと受け取られているのが実情です。

2 法定相続分

 前記1の相続分の指定がない場合には,共同相続人の相続分は,民法が定める割合によることになります。これを「法定相続分」といいます。

(1) 相続人に配偶者がいない場合

 前回のコラムにも書きましたが,この場合は,被相続人の子・直系尊属・兄弟姉妹の順序で,相続人となります。
 同順位の共同相続人の法定相続分は,原則として均等ですので(民法900条4号本文)(下記※参照),例えば,相続人が被相続人の子3人であれば,その法定相続分は各3分の1(3等分)となります。

(2) 相続人に配偶者がいる場合  

 これも前回のコラムで書きましたが,この場合は,配偶者のほか,子・直系尊属・兄弟姉妹がこの順序で相続人となります。
 配偶者の法定相続分は,共同相続人が子・直系尊属・兄弟姉妹の誰になるかで割合が変わりますが,共同相続人の数に影響されず,一定です(具体的には下記のとおり)。

① 配偶者と被相続人の子が相続人となる場合(民法900条1号)  

 法定相続分は「配偶者2分の1,子2分の1」となります。
 例えば,配偶者と被相続人の子3人が相続人となる場合,その法定相続分は,配偶者2分の1,子は1人あたり6分の1(2分の1を3等分)(下記※参照)となります。

② 配偶者と被相続人の直系尊属が相続人となる場合(民法900条2号)

 法定相続分は「配偶者3分の2,直系尊属3分の1」となります。 
 例えば,配偶者と被相続人の両親が相続人となる場合,その法定相続分は,配偶者3分の2,両親は1人あたり6分の1(3分の1を2等分)となります。

③ 配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合(民法900条3号)  

 法定相続分は「配偶者4分の3,兄弟姉妹4分の1」となります。
 例えば,配偶者と被相続人の兄弟姉妹4人が相続人となる場合,その法定相続分は,配偶者4分の3,兄弟姉妹は1人あたり16分の1(4分の1を4等分)(下記※参照)となります。

 指定相続分や法定相続分については前記のとおりですが,共同相続人間で遺産分割協議を行い,共同相続人全員が合意すれば,指定相続分・法定相続分とは異なる割合で遺産を分けることも可能です。

 遺産分割などの相続手続については,まずは当事務所にご相談ください。

※ 同順位の共同相続人の法定相続分の例外(民法900条4号但書)
 嫡出でない子(非嫡出子)の相続分は,嫡出子(婚姻関係にある男女間に懐胎・出生した子)の相続分の半分となります。
 また,父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹は,父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の半分となります。

 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 田中伸

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