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過去にお問合せいただいたご質問に対して,一般的な回答を掲載しています。事情により異なる場合もありますので,詳しくはご相談にいらしていただくことをお勧めします。

遺言書

《公正証書遺言》

Case#1
土日祝日に公正証書遺言を作成することは出来ますか?
公証役場は土・日・祝は休みとなっています。したがって,平日でなければ作成を行うことは出来ません。


Case#2
父が亡くなりました。遺言が残っており,妹と私を除く相続人に財産を相続させるとの内容でした。一方で,妹は父から生前贈与を受けていることが分かりましたが,私は何も受け取っていません。妹に対しても遺留分侵害額請求請求をできるのでしょうか。
相続させる遺言については,遺贈とは性質が異なるものと考えられています。そうすると,遺留分侵害額請求権に関する条文は,遺贈と贈与に対して請求できると書いてあるので,相続させる遺言に対しても行うことが出来るのか疑問に思われる方が多いようです。これについては,相続させる遺言に対しても遺留分侵害額請求できるというのが実務の考え方となっています。一方で,遺留分侵害額請求には,その行使をすべき順序が規定されています。民法 1033条 に「贈与は,遺贈を減殺した後でなければ,減殺することができない。」とあります。ここでも,相続させる遺言については述べられていません。相続させる遺 言は,対象の相続財産が土地である場合に,単独で登記が可能かどうかという点で,遺贈と異なりますが,被相続人の死亡時に直ちに相続により権利が移転する という点では,遺贈と異なりません。したがって,遺留分侵害額請求の順序の場面では,遺贈と同様に扱われるべきとなります。 そうすると,相続させる遺言に対して先に遺留分侵害額請求を行うべきとなるので,相続させる遺言に対する減殺だけでは遺留分に満たない場合に,生前贈与分から減殺できることになります。

Case#3
公証役場での公正証書遺言の保管期間はどのくらいでしょうか。
以前は「遺言者が100歳になるまで」が保存期間でしたが,高齢化社会に伴い永久的に保管することになっています。



Case#4
公証人役場にて遺言書を作成する場合,遺言者が高齢であることや身体的理由により一人で面談することが不可能な場合,利害関係人(受遺者や相続人)が遺言書作成の場面に付き添って同席することはできますか?
実務上は,通常は,公証人が遺言者の遺言意思を適正に確認するため利害関係人の同席は認めらないでしょうが,やむを得ない事情がある場合には,公証人の判 断で同席を認めてくれることが多いようです。 関連して,公正証書遺言作成の際の証人と利害関係人の関係について説明しておきます。公正証書作成の際には証人が2人必要ですが,利害関係人(推定相続 人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族)はこの証人にはなれません。しかし,利害関係人の他に所定の証人2人が立ち会っている場合は,利害関係人 が立ち会っていたとしても,その利害関係人によって遺言の内容が左右されたり、遺言者が自己の真意に基づいて遺言をすることを妨げられたりするなど特段の 事情のない限りは,遺言は有効とされています(最判平成13年3月27日)。
 


Case#5
公正証書遺言の照会に必要な書類は何がありますか?
公正証書遺言はその有無について最寄りの公証役場で調べてもらうことができます。相続人本人が公証役場に出向く場合には、
1 遺言された方の死亡が確認できる資料
・除籍謄本など
2 請求者が相続人であることが確認できる資料
・戸籍謄本など(1で用意した資料で兼ねられる場合があります。また,遺言された方とのつながりが確認できるまで遡って取得する必要がある場合もあります。)
3 請求者の本人確認できる資料
・運転免許証,パスポートなど顔写真付き身分証明書及び認印
または
・発行後3ヶ月以内の印鑑登録証明書及び実印
代理人が公証役場に出向く場合には請求者の印鑑証明書のほか実印により作成された委任状が別途必要となります。 詳しくは公証役場までお問い合わせ下さい。

Case#6
相続人のいない叔母からお金を預かっています。叔母は自分が亡くなったら私のものにしてよいといっていますが問題ないのでしょうか?
法律関係があいまいな部分がありそうですね。 少額であればともかく預かった金額が多額であるならば法律関係を明確にするため,遺言を書いてもらうか,叔母さんとの間で契約書を作成しておく方がよいでしょう。


Case#7
兄が危篤状態でいつ亡くなってもおかしくありません。兄には妻や子どもがおらず、両親も既に亡くなっています。兄の相続人は私を含む兄弟2人のみです。兄が生きているうちに預金等を相続人間で分けてしまっても良いでしょうか。問題ないのでしょうか?
お兄さんの判断能力がしっかりしており、お兄さんの了承の下で、だれがいくらずつ贈与を受けるかを決めるのであれば、問題はありません。その際、お兄さん の死後、他の相続人から、本人の意思に拠らずに預金を勝手に引き出したなどと言われないように、共同相続人全員でお兄さんの話を聞いたり、お兄さんに一筆 書いてもらっておくなどの、トラブル予防を念頭において行動する方が良いでしょう。
また、贈与を受ける額が多額に上るときは、贈与税・相続税も考えておいた方が良いです。
逆に、お兄さんに無断で勝手に分けることはできません。 

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《執行者》

Case#1
夫の公正証書遺言書には,私に「すべての財産を相続させる」と書かれ,さらに私が遺言執行者となっていました。他の相続人に夫の兄弟がいますが,折り合いが悪いので連絡を取らずに相続財産の手続きを進めたいと考えています。可能でしょうか。

今回の遺言は遺言執行者に指定されているので,その点が気になるだろうと思います。遺言執行者はすべての相続人の代理人であり,遺言執行者に就任する際に 法定相続人に就任通知を行う義務があり,また相続財産の目録を作成して法定相続人に交付する義務も有しています。その他にも,遺言の内容の執行状況につい て法定相続人に報告する義務があります。そうすると,遺言執行者に就任した場合には,他の相続人と連絡を取ることを免れるのは難しいです。
しかし,遺言執行者に指定されていても,自分が遺言執行者に就く義務はありませんし,遺言執行者を使った手続きを行う必要がないのであれば,第三者を選任する必要もありません。
今回は,公正証書遺言で全財産について,「相続させる遺言」がなされているので,全ての財産移転手続きを「相続人」という立場で単独で進めることが可能と思われます。
「相続人」という立場で単独で手続きが出来るのであれば,遺言執行者を選任する必要もないですし,他の相続人に連絡を取る必要はありません。
しかし,金融機関からの払戻しについては,銀行ごとに対応が異なる可能性があります。法律的には,単独で払い戻し手続きを行うことが出来るのですが,金融 機関が嫌がることがあります。遺言執行者を選任することを求められたり,法定相続人全員の同意を求められたりすることがあります。そうなった場合に,それ でもなお他の相続人と連絡を取りたくなければ,金融機関に対して民事訴訟を提起して,預貯金の払戻しを請求するという面倒な手続きを行う必要があります。 また,一点注意が必要なのが,遺留分です。今回は夫の兄弟が相続人なので遺留分の問題は生じま せんが,遺留分を有するものが他の相続人だった場合には,すべて一人で手続きを進めていくと,あとで相続財産としてどのようなものがあったのかについて遺 留分権利者ともめることがあるので,注意してください。

Case#2
父の相続で兄が遺言執行者となりましたが何も詳しいことを教えてくれません。遺言執行者は他の相続人に対して財産開示義務はないのでしょうか?
あります。民法1011条に相続財産の目録を作成して交付する義務が定められています。 
(
民法1011条)
遺言執行者は,遅滞なく,相続財産の目録を作成して,相続人に交付しなければならない。
遺言執行者は,相続人の請求があるときは,その立会いをもって相続財産の目録を作成し,又は公証人にこれを作成させなければならない。 

《代襲相続》

Case#1
私は遺言書を作成して自宅を長男に相続させることにしました。万一,私より先に長男が死亡し,その後に私が死んだ場合,長男の子どもに自宅は代襲相続されるのでしょうか?
代襲相続されません。
自宅を長男に相続させる旨の遺言を作成した後に長男(受遺者)があなた(遺言者)より先に亡くなった場合,原則として実現不可能な内容の遺言として失効します。
ただし,「長男が遺言者より先に亡くなった場合には長男の子へ遺産を渡す。」という趣旨が遺言から読み取れれば長男の子の相続が認められます。長男が自分よりも先に亡くなった場合にどうしたいかも遺言に書いておくとよいでしょう。 


Case#2
祖母が1ヶ月前に亡くなり,遺言書が出てきました。遺言書の内容は,祖母の死亡の1年前に既に亡くなっている私の父へ全財産を相続させるというもので した。私は,一人っ子なのですが,今回の祖母の遺言書で,父の替わりに全財産を相続できるのでしょうか。祖母には私の父の他に2人の息子がおり, 祖父は既に亡くなっています。

今回の父へ全財産を相続させるという遺言は,その父が遺言者よりも先に亡くなっているため,原則として,効力を生じません。財産については遺言がないのと同じ状態となりますので,息子2人,父を代襲相続した相談者の3人が,3分の1ずつ相続をすることになります。
参考判例(最判平成23年2月22日):遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定する「相続させる」旨の遺言は、当該遺言によ り遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係、遺 言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから、遺言者が、上記の場合には、当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有 していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはない。 

《検索》

Case#1
秘密証書遺言とはどのようなものですか?秘密証書遺言は,その存在の有無を公証人役場で検索することはできるのですか?
秘密証書遺言は,遺言者が,遺言の内容を記載した書面(自筆証書遺言と異なり,自書である必要はないので,ワープロ等を用いても,第三者が筆記したものでも 構いません。)に署名押印をした上で,これを封じ,遺言書に押印した印章と同じ印章で封印した上,公証人及び証人2人の前にその封書を提出し,自己の遺言 書である旨及びその筆者の氏名及び住所を申述し,公証人が,その封紙上に日付及び遺言者の申述を記載した後,遺言者及び証人2人と共にその封紙に署名押印 することにより作成されるものです。

上記の手続を経由することにより,その遺言書が間違いなく遺言者本人のものであることを明確にでき,かつ,遺言の内容を誰にも明らかにせず秘密にすること ができますが,公証人は,その遺言書の内容を確認することはできませんので,遺言書の内容に法律的な不備があったり,紛争の種になったり,無効となってし まう危険性がないとはいえません。
以上の理由で,秘密証書遺言の利用は少なく,年間で100件程度と言われています。
また,秘密証書遺言は,自筆証書遺言と同じように,この遺言書を発見した者が,家庭裁判所に届け出て,検認手続を受けなければなりません。
なお,平成元年以降に作成された公正証書遺言や秘密証書遺言であれば,日本公証人連合会において,全国的に,作成した公証役場名,公証人名,遺言者名,作成年月日等をコンピューターで管理していますから,その存在の有無について調べることができます。
な お,秘密保持のため,相続人等利害関係人のみが公証役場の公証人を通じて照会を依頼することができることになっていますので,亡くなった方が死亡したとい う事実の記載があり,かつ,亡くなった方との利害関係を証明できる記載のある戸籍謄本と,ご自身の身分を証明するもの(運転免許証等顔写真入りの公的機関 の発行したもの)を持参する必要があります。

Case#2
相続人に当たらない人でも、公正証書遺言を検索することができるのでしょうか。
公正証書遺言の有無は、全国の公証人役場で検索することができます。 相続人ではない人でも、検索は可能ですが、遺言は高度なプライバシーに関する事項であるため、利害関係を有していることを示す必要があります。

《印鑑登録》

実印登録をしていない場合,公正証書遺言を作成することはできますか?
公正証書遺言の作成では,公証人が筆記した遺言を遺言者と証人に読み聞かせします。その後,遺言者と証人が筆記の正確なことを承認した後、それぞれが署名し、印を押す必要があります。
実務上,遺言者の押印について,実印を用いることになっているため,実印を用意する必要があります。 一方で,証人の押印については,実印である必要はなく認印でも構いません。

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