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T-PEC(ティーペック) ご存じですか?

T-PEC(ティーペック) ご存じですか?

1 ティーペックとは?

 優秀専門臨床医の全国ネットワークを確立し,ニーズに合わせた健康・医療分野でのサービスを開発・提供する日本最大の機関で,医療保険やがん保険に付属するセカンドオピニオンや健康相談サービスも,このT-PEC(ティーペック)株式会社が保険会社に提供をしているサービスです。

2 ティーペックで出来る相談には,次のようなものがあります。

・医療相談・育児相談 (例) ◆小さなお子さんの夜間相談
・健康相談・介護相談 (例) ◆高齢者が骨折やけがの相談
・メンタルヘルス相談・セカンドオピニオン (例) ◆生活習慣病などの相談
・医療機関の情報提供(緊急時に受け入れ先の病院を探してくれるサービス)
 (例) ◆24時間対応の電話健康相談

3 全国対応の医療情報サービスの内容は,次のとおりです。

・気になる体の症状についての相談
・治療に関する相談
・ストレス、メンタルヘルスに関する相談
・家庭看護、介護に関する相談
・健康保持・増強に関する相談

4 ティーペック会員になる方法

 冒頭で述べたように,保険の付属サービスとして可能な保険もありますし,また個人でティーペックへ入会もできます。(入会金54,000円,月会費10,800円かかるようです。)
 私が所属する一般社団法人終活協議会の心託サービスでは,入会金10,000円でティーペックも利用できる医療サービスにプラスして,介護案内サービス,法律相談サービス,葬儀サービスの全てを会員のみが受けることができ月額費用は不要,一生涯利用できます。ご興味ご関心を持たれた方はお気軽にお問合せください。

執筆者:相続アドバイザー(上級)・心託コンシェルジュ/黒田文

相続法改正~配偶者居住権その②~

相続法改正~配偶者居住権その②~

1 以前の法律の問題点

 一方の配偶者が死亡した場合に,見るべき遺産が居住建物しかなかったというときには,生存配偶者が急きょ居住している建物を引き払い,新たに生活の場となる居住を見つけ転居をしなければならなる可能性があります。しかし,生存配偶者は高齢の場合が多く,これでは生存配偶者に精神的にも肉体的にも大きな負担を課すことになります。しかし,以前の法律には,生存配偶者が短期間でも居住建物に住み続けることができることを定めた規定がありませんでした。

2 配偶者短期居住権の新設

 生存配偶者が,被相続人の財産に属した建物に相続開始時に無償で居住していた場合には,一定の期間,その居住建物の所有権を相続または遺贈により取得した者に対し,居住建物について無償で使用する権利を主張できるようになりました。
 その配偶者短期居住権を有する期間ですが,大きく分けて2つのパターンがあります。

(1)居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産分割をする場合

 ①遺産分割により居住建物の帰属が確定した日,又は②相続開始時から6か月を経過した日のいずれか遅い日までの期間です。

(2)居住建物について,配偶者を含む共同相続人間で遺産分割をすべき場合以外の場合

 居住建物が遺贈された場合などは,相続により居住建物の所有権を取得した者が配偶者短期居住権の消滅の申入れをした日から6か月を経過した日までの間です。

3 具体例で検討してみましょう

(1)事案

 配偶者である夫が亡くなり,残されたのは妻(A)とその子ども2人(B・C)だったとします。妻(A)は,夫が所有する建物に長年住んでいました。夫は,遺言をしておらず,遺産分割協議をすることになったが,A,B,Cの間において協議が調わない場合,Aは遺産分割協議終了まで,当該建物に住み続けることはできるのでしょうか。また,賃料についてはどうなるのでしょか。

(2)検討

 この場合には,妻(A)が遺産分割協議終了時まで居住建物への居住を希望しており,妻(A)には配偶者短期居住権が認められます。遺産分割がされる場合には,遺産の分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始時から6か月を経過した日のうちいずれか遅い日まで,妻(A)は配偶者居住権を有することになります。仮に遺産分割調停が申し立てられた場合,6か月以内に遺産分割調停が成立する可能性は低いので,遺産分割協議により居住建物の帰属が確定するまでは住み続けることができます。
 賃料についてですが,配偶者短期居住権は使用貸借類似の法定債権とされているため,賃料は不要です。

4 まとめ

 配偶者短期居住権に関する法律は2020年4月から施工されます。配偶者短期居住権についても,建物を修繕した際の費用や有益費の負担をどうするかなどについても様々なルールがあります。
 配偶者短期居住権に関することは弁護士に相談することをお勧めします。

執筆者:東京支部長/岡 篤志

被相続人の多額の借金に対しては、相続放棄

被相続人の多額の借金に対しては、相続放棄

 被相続人の相続財産がプラスのものばかりとは限りません。相続財産を合計したらマイナスとなってしまった場合、相続人は相続財産全体を放棄することもできます。それが、「相続放棄」です。
 相続財産の合計がプラスの場合は、全体を相続するのが通常と思います。これを「単純承認」といいます。
 合計したが、評価など不確定の要素があり、プラスかマイナスかが不明な時は、相続したプラス財産の範囲において相続債務を支払えば足りる制度もあります。これを「限定承認」といいます。

 相続放棄や限定承認には期間制限があり、原則として、相続開始があったことを知った時から3か月間の熟慮期間内にしなければなりません。相続人の財産が多岐にわたり相続財産調査が困難を極めるときなどには、裁判所にこの熟慮期間の延長を求めることもできます。
 ただし、この期間内であっても、相続人が相続財産の全部または一部を処分すると、相続を単純承認したものとみなされ、相続放棄や限定承認をすることができなくなります。

 被相続人に借金がある場合には、慎重に相続財産調査をし、相続手続きを進めていく必要があります。

執筆者:代表弁護士/山下江

意外と知らない医療 その2

意外と知らない医療 その2

1 終末期医療費

 2017年の厚生労働省の推計によると,日本人の生涯医療費の平均2,700万円。男性は2,600万円,女性2,800万円。特に70歳以上で多く使い,生涯医療費の半分は70歳以上で使います。

2 リビングウィル

 終末期にご本人またはご家族に迫られる今後の方針には,次のようなことがあります。

①治療はどうしたいのか
②延命治療はどうしたいのか
③どこで最期を過ごすのか
④最期の時期にどの人に来てもらいたいのか
⑤葬儀,葬儀社はどうするのか

 医療行為への同意は,あくまでご本人にしかできません。しかし,往々にしてあるのは,容態が急変した場合や意識がない状態での今後の治療方針をご家族が決断しなければならないことです。家族であれ人間の生死を判断することは,非常に責任が伴うものです。下した決断が本当によいものだったのか悩むことも多々あります。そういった苦渋の決断を避けるためにも,本人の生前の意思(リビングウィル)をご家族に伝えておくことはとても大切なことです。

執筆者:相続アドバイザー(上級)・心託コンシェルジュ/黒田文

相続法改正~配偶者居住権その①~

相続法改正~配偶者居住権その①~

1 以前の法律の問題点

 被相続人が所有していた居住建物に,残された配偶者が継続して住み続けたいと考えると,一般には所有権を取得することになります。しかし,遺産分割において居住建物の所有権を取得した場合には,居住建物の評価額が高くなる場合が多く,預貯金等をわずかしか相続することができず,その後の生活に支障が生じるという問題が生じていました。

2 具体例

 配偶者である夫が亡くなり,残されたのは妻とその子ども1人だったとします。遺産として残っていたのは,2000万円相当の自宅不動産と預金3000万円の総額5000万円でした。子どもと遺産をどのように分けるか話し合いをして(遺産分割協議といいます),遺産総額5000万円を法定相続分とおり半分ずつの2500万円を取得しようということになりました。
 妻は,今後も継続して自宅不動産に住みたいので,2000万円の価値のある自宅不動産と預貯金500万円を取得し,子どもは預貯金2500万円を取得しました。
 法定相続分に従い分けたので法律上は問題ないですが,妻は預貯金をわずか500万円しか相続することができず,その後の生活が不安になります。

3 配偶者居住権の新設

 生存配偶者(上記の例でいえば妻)が,被相続人所有であった居住建物に,相続開始時に居住していた場合で,遺産分割で配偶者居住権を取得するとされたとき又は配偶者居住権が遺贈の目的とされたときは,その居住建物の全部につき無償で使用収益する権利(配偶者居住権)を取得することができるようになりました。
 再度,具体例で検討してみましょう。
 妻は配偶者居住権を遺産分割協議の結果取得することになりました。配偶者居住権は,相続開始時に居住していた被相続人所有の居住建物に住む権利です。妻は配偶者居住権という財産的価値を相続したとみなされます。配偶者居住権の財産的価値は,固定資産評価額をベースに評価を行います。他方,子は配偶者居住権という負担が付いた不動産を取得することになります。
 その結果どちらも2500万円の財産を取得することになるのですが,生存配偶者は,居住建物には住み続けることができながら,預貯金1500万円を取得することができるのです。

4 まとめ

 配偶者居住権に関する法律は2020年4月から施工されます。配偶者居住権は登記をしなければなりませんし,実際の運用についても様々なルールがあります。
 配偶者居住権に関することは弁護士に相談することをお勧めします。

執筆者:東京支部長/岡 篤志

遺言に自分の取り分がない場合は、遺留分侵害額請求ができます

遺言に自分の取り分がない場合は、遺留分侵害額請求ができます

 兄弟姉妹を除く相続人には、遺産の最低取り分を定めた遺留分という権利があります。相続人の期待を保護し、相続人間の公平を図る趣旨と言われています。

 例えば、母が死亡し(すでに父は死亡していた)、相続人が自分と兄だけだった場合に、母がすべての財産を兄に取得させるという遺言を作成していたとします。この場合は、自分の相続分(2分の1)の2分の1が遺留分となります。すなわち、2分の1の2分の1で、4分の1が遺留分となるわけです。

 自分は兄に対して、母の遺産の4分の1を請求することができます。これを遺留分侵害額請求といいます。母の遺産総額が5000万円とすると、遺留分はその4分の1の1250万円となります。

 しかし、ことはそう簡単には済まないことが多いのです。
 まず、遺産総額は果たして5000万円でいいのか。たとえば、その中に不動産が含まれていた場合、相続税申告では路線価が使われますが、遺留分の計算では不動産の時価が問題となり、それで計算すると遺産総額が8000万円になるようなこともあります。

 また、生前に自分や兄が母から生活の資本としての贈与(特別受益といいまう)を受けていると、その金額もいったん持ち戻して計算しなければなりません。例えば、生前に兄は1500万円、自分は500万円を受け取っていたとします。
 先ほどの8000万円を前提としますと、持ち戻し後の相続財産は、8000万円+1500万円+500万円=1億円となります。

 自分の遺留分はその4分の1の2500万円。そして、そのうちの500万円を生前に受け取っているので、結局、受け取れる遺留分侵害額は、2500万円―500万円=2000万円となります。

 このように遺留分侵害額請求も法律を知らなければ、間違った結論になる場合もあります。法律のプロである弁護士に是非ご相談いただければと思います。

執筆者:代表弁護士/山下江

意外と知らない医療 その1

意外と知らない医療 その1

1 ガン治療格差

 人はほとんどの方が,何らかの病気で亡くなります。現在の死亡原因1位はガン,2011年には肺炎が第3位に入ってきました。
 高齢になり体力や免疫力が落ちている時に肺炎にかかりやすく,肺炎で亡くなる方のほとんどが高齢者です。
 県別のガン死亡率格差は,日照時間・食生活・健康診断など様々な要因はありますが,結論は情報量の差で,早期発見すれば治る,健康的な生活を送ればガンになりにくい等,自治体が啓蒙活動をしている差とも言われています。

2 病院別,ガン5年生存率格差

 これをご覧になって,皆様ならどの病院に相談したいですか。

 病院ごとの格差や同じ病院でも医師の技量の格差等がありますので,多岐に渡った情報を持っていることがとても重要です。

3 緩和ケア・ターミナルケア

 生命を脅かす疾患による問題に直面している患者さんとそのご家族に対して,痛みやその他の身体的問題,心理社会的問題,スピリチュアルな問題を早期に同定し,適切な評価と治療によって,苦痛の予防と緩和を行うことで,QOL(Quality of Life:生活の質)を改善するアプローチです。
 ホスピス・緩和ケア病棟は,病気の治療を目的とするものではなく,ガンと共に生きる患者さんやご家族の痛みや苦しみを和らげる医療を行うところで,症状が落ち着いたり希望があれば,退院も可能です。主に悪性腫瘍や後天性免疫不全症候群に罹患している患者さんが対象で,自分らしい時間が過ごせるようチームで治療,ケアを提供しています。
 現状では,ホスピス緩和ケア病棟の数は頭打ちで,その理由は,①病棟設備の基準が高く経営が合わない。②終末期に適応できる人材が揃わない。③患者が「死」というものを受け入れる風習が少ないからです。

 続きは,次回「意外と知らない医療 その2」でお送りします。

執筆者:相続アドバイザー(上級)/黒田文

相続法改正~自筆証書遺言の保管制度の創設~

相続法改正~自筆証書遺言の保管制度の創設~

1 自筆証書遺言の保管方法は各人の自由

誰でも簡単に作成できる遺言として自筆証書遺言というものがあります。自筆証書遺言は、遺言者が,①その全文②日付③氏名を自書して④印を押すだけで作成できます。作成後の保管方法も各人に任せられているので、作成後も自由に訂正や書き直しができます。

他方で、保管方法が自由ということは,遺言作成後に遺言書を紛失したり、遺言作成者以外の者が,保管してあった遺言を隠したり,偽造する可能性があります。さらに,相続人が遺言の存在に気付かず、遺産分割終了後に自筆証書遺言が発見されることもあります。このように、せっかく自筆証書遺言を作成したにもかかわらず、きちんと保管・管理をしていなかったばかりに、かえって争いの原因になることがあります。

2 自筆証書遺言の保管制度の創設

自筆証書遺言を近くの法務局で保管してもらえるようになります。遺言者は,法務局にいる遺言書保管官に対し,自己の遺言書を無封の状態で保管するよう申請します。保管をしてもらうためには遺言者本人が法務局に出向く必要があります。本人が行けば保管の撤回もできるので、遺言の内容の変更などもできます。
遺言書保管官は,遺言が遺言者本人によって作成されたかなど外形的審査を行います。このように遺言保管官が外形的審査を行ってくれるので,通常、相続開始後に遺言書を発見した場合行う必要がある,家庭裁判所による検認手続きは不要となります。
この遺言の保管制度は,令和2年7月10日から始まります。これより前に,法務局に対して遺言書の保管を申請することはできませんので,ご注意ください。

3 最後に

自筆証書遺言の保管制度によって、遺言が破棄・隠匿されたりする可能性は低くなります。しかし、遺言を保管してもらうためには遺言者本人が法務局に出向く必要があるので、自ら出頭できない方には利用が困難な制度です。また、遺言の有効性まで検査してくれるわけではないので、遺言の有効性が問題になる可能性は残ったままです。そのため、最も確実な遺言方法が、公正証書遺言であることには変わりありません。公正証書遺言を作成する場合は、事前に公証人とその内容等について検討することが多いので、事前に弁護士に相談をすることをお勧めします。

執筆者:東京支部長/岡 篤志

一部相続人による相続財産使い込み

一部相続人による相続財産使い込み

ご相談やご依頼で多いケースですが、相続人のうちの一人(A)が、被相続人を生前に囲い込み、被相続人の財産を独り占めにしようとしたのではないかとの疑いがある事案です。

被相続人の死後に、他の相続人(B)が相談・依頼に来られます。
被相続人の痴呆気味な状態を利用して被相続人の財産をかってに費消したのではないか、あるいは、かってに自らのものとしたのではないか、との疑いです。もしそうなら、窃盗罪、詐欺罪、横領罪などが成立するおそれもあります。

こうした場合の一人の相続人(A)の言い分は、被相続人の意思は正常で何の問題もない、費消した金額は被相続人のために使ったものであり、自分がとったわけではない。あるいは、正常な被相続人の意思のもとでの生前贈与に過ぎない、などです。

Bの方針としては、①Aに対する不当利得返還請求や②Aへの生前贈与を特別受益として持ち戻し遺産分割協議に反映させることです。
これらの方針を実現するためには、Aが認めていない事実について、Bは証拠を集め、それにより立証する必要があります。通常は、被相続人の金融機関での取引経過を取り寄せ、不審なお金の動きはないか、被相続人の通常の生活費はどのくらいだったのかなど、分析します。場合によっては、弁護士照会(弁護士法23条の2)によりAの金融機関取引経過を取り寄せることもあります。

ここでは法律の知識だけでは足りず、事案の分析力、捜査能力的な才能も求められます。考える力のある弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。当事務所には幾多の成功実績があります。

執筆者:代表弁護士/山下江

終活の背景 ~終活はとても複雑~

終活の背景 ~終活はとても複雑~

1 人口と高齢者の割合

 日本の総人口は,戦後に増え高度経済成長を支えてきましたが,2010年をピークに下がり始めており,現在の人口は約1億2600万人ですが,2060年には約8,000万から9,000万人になると予測されています。
 しかし高齢者(65歳以上)の人口はそれ以降も増え続け,総務省統計局のデータによれば,第2次世界大戦終戦直後は人口の5%程度であった高齢者の割合が,2035年頃には30%を超え,2060年には約40%を占めるようになりました。
 日本の社会は,他国とは比較にならないほど急速に少子高齢化が進み,近い将来,団塊の世代の多くが介護を必要とする状況になることが予想されます。

2 家族形態

 20世紀初めのように,1つの家族に子どもが多数いるという時代には,親の老後の世話や亡くなった後の手続きや遺品整理等を分担して行うことができました。しかし,現代のようにひとりっ子が珍しくなかったり,お一人様やDINKS※ も増加している時代には,子どもへ大きな負担はかけられないとお考えになる方も多くなっています。
  (※DINKS・・・Double Income No Kidsの略で,共働きで子どもを作らない,持たない夫婦。)

3 平均寿命,健康寿命

 先日7月30日,厚生労働省から「平成30年簡易生命表」が公表されました。男性の平均寿命は81.25年,女性は87.32年となり,いずれも過去最高を更新しています。

厚生労働省HPよりhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life18/index.html

 平均寿命と健康寿命の差は,日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味しますが,この差が拡大すれば,医療費や介護費を消費する期間が増大し財政を圧迫することになります。そのため,病気の予防と健康維持によって,この差をいかに小さくしていくかが重要です。

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/14/backdata/1-3-1-04.html

4 最後に

 社会現象というまでに“終活”が広がっている背景には,これらの要因が挙げられます。そして,“終活”は大きく分けて,医療・介護・保険・相続・葬儀・お墓と多種様々で非常に複雑です。
 次回以降はこれらを順に取り上げますので,皆さまの終活 = 将来準備に少しでもお役立ていただければ幸いです。もちろんご相談お問合せもお受けいたします。

執筆者:相続アドバイザー(上級)/黒田文

相続法改正~自筆証書遺言はどうやって作成するの~

相続法改正~自筆証書遺言はどうやって作成するの~

1 以前の法律と自筆証書遺言

生前の相続対策において最も簡単で最も有効なものに遺言があります。遺言には自筆証書遺言,公正証書遺言,秘密証書遺言の3種類があります。この3種類のうち最も簡単に作成できるのが自筆証書遺言というものです。
よくお父さんのタンスから遺言が見つかった!などと聞きますがそれは自筆証書遺言です。
自筆証書遺言の書き方は非常に簡単です。遺言者が,①その全文②日付③氏名を自書して④印を押す。たったこれだけです。自筆証書遺言の作成には,封筒に入れて封をすることも法律上は特に求められていません。もちろん,作成した遺言を封筒に入れて封をし,貸金庫などで保管するに越したことはないです。
これだけ聞くと誰でも簡単に作成でき,特に問題はないように思えます。しかし山林や畑,有価証券,預金,株などたくさんの財産がある方は意外と大変なのです。

「●●銀行△△支店・普通預金・口座番号〇〇は長男に相続させる」
「□□銀行××支店・普通預金・口座番号〇〇は次男に相続させる」
「所在:〇県〇市〇区〇町 地番:〇〇 種目:宅地の不動産は三男に相続させる」
「所﨑:〇都〇区〇町 地番:〇〇 種目:宅地の不動産は三男に相続させる」
「●●会社の株式1000株は長男に相続させる」

通常遺言を作成する方は高齢の方が多いですが,高齢の方に多くの文字を自署で書かせるのはかなりの負担になります。また,文字を多く書かせることはその分記載ミスなどの可能性が高くなり遺言が無効になる可能性もでてきます。せっかく簡単に遺言が書けるように自筆証書遺言という制度を作っているのに,全て自署を求めたばかりに逆に遺言が無効になる可能性が高くなるのは本末転倒です。
そこで自筆証書遺言の作成方法について法律が変わりました。

2 自筆証書遺言の方式緩和

自筆証書遺言を作成する場合に,遺言事項と添付書類である財産目録を分けて考えることになりました。
遺言事項は従来通りに自署が必要です。他方で,添付書類の財産目録については自署が要求されなくなりました。つまり,添付書類の財産目録の部分については,ワープロ書きでの記載,登記事項証明書や預金通帳の写しをそのまま使うこともできるのです。ただし,財産目録にはページごとに遺言者の署名・押印が求められます。
 具体的に検討してみましょう。

「長男には別紙1の不動産,別紙2の預金を相続させる」
「次男には別紙3の不動産,別紙4の預金を相続させる」
「三男には別紙5の不動産,別紙6の預金を相続させる」
令和●年●月●日
遺言 太郎 ㊞

ここまではこれまでと同様,遺言者が全て自署で記載する必要があります。
そして別紙はワープロで作ってもいいですし,登記事項証明書に別紙1と書いて遺言に添付する方法でもいいのです。預金通帳の写しをとり,そこに別紙2と記載して添付することもできます。
 そして,添付書類の別紙1~別紙6に遺言者が署名・押印をすれば自筆証書遺言が完成です。
従来までのように全て自署でする場合と比べると負担が格段に軽くなりました。

3 新制度について

 上記のような自筆証書遺言の作成方法は,2019年1月13日からスタートしています。そのため,今後自筆証書遺言を作成する方は,遺言事項は自署で記載し,添付書類はワープロや登記事項証明書の写しを使用するという方法で自筆証書遺言を作成することができます。
 全て自署で作成することは大変だと思いますので,是非添付書類についてはワープロや資料の写しを使うことを検討してください。

4 最後に

遺言は相続に関する紛争を未然に防ぐ非常に重要なものです。遺言を作成することで,あなたの財産を誰にどのように取得してほしいか伝えることができます。また,そうすることで残された方もあなたの気持ちを尊重することができるのです。
自分が亡くなった後に残される方々のことを考えるのであれば,必ず遺言を作成するようにしてください。

執筆者:東京支部長/岡篤志

相続(その2) – 弁護士コラム

 山下江法律事務所 副代表の田中伸です。
前回私が書いたコラム(2011年6月17日掲載)では,「相続放棄」のお話をしました。今回はその続きです。

 

 前回のコラムの内容は,
相続人は,被相続人(亡くなった方)の積極財産(不動産などのプラスの財産)だけでなく,消極財産(借金などのマイナスの財産)も受け継ぐことになる。
そのため,被相続人が多額の借金(消極財産)を残して亡くなった場合,相続人は被相続人の借金を返済しなければならなくなる。
このような事態を避けるためには,相続人が,自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に,家庭裁判所に相続放棄の申述をする必要がある(民法915条,938条)。
というものでした。

 このように,相続放棄の申述は「相続人」がすることになるのですが,今回のコラムでは,誰が「相続人」となるのかについて,お話ししたいと思います。

まず,被相続人の配偶者(被相続人の戸籍上の夫・妻)は,常に相続人となります(民法890条)。

その他,①被相続人の子(※1),②被相続人の直系尊属(被相続人の父母,祖父母…)(※2),③被相続人の兄弟姉妹(※3)の順序で,相続人となります(民法887条,889条)。「順序」ということは,つまり,前記②の者が相続人となるのは,前記①の者が全くいない場合であり,前記③の者が相続人となるのは,前記①の者も前記②の者も全くいない場合ということになります。

 

 さて,被相続人に多額の借金があり,被相続人の配偶者と前記①の者の全員(代襲者,再代襲者…も含む(※1参照))が相続放棄の申述をしたら,誰が「相続人」となるのでしょうか?

 相続の放棄をした者は,その相続に関しては,初めから相続人とならなかったものとみなされますので(民法939条),このケースでは前記①の者が全くいない場合と同じ状況になり,次順位の前記②の者が相続人となるのです。

 したがって,前記②の者も相続放棄をするのであれば,先順位である前記①の者全員が相続放棄の申述をして,自分が相続人となったことを知った時から3か月以内にする必要があります。

 もし,前記①の者だけでなく,前記②の者も全員相続放棄の申述をした場合は,前記①の者も前記②の者も全くいない場合と同じ状況になり,前記③の者が相続人となりますので,前記③の者(代襲者も含む(※3参照))も相続放棄をするのであれば,先順位である前記②の者全員が相続放棄の申述をして,自分が相続人となったことを知った時から3か月以内にする必要があるのです。 

 相続手続や相続放棄の申述については,まずは当事務所にご相談下さい。

※1 被相続人の子が被相続人よりも前に亡くなっていたときに,被相続人の子の子(=被相続人の孫)がいれば,代わって相続人となります(民法887条2項)。これを「代襲相続」と言います。
  被相続人の孫も被相続人よりも前に亡くなっていたときに,被相続人の孫の子(=被相続人のひ孫)がいれば,さらに代わって相続人となります(民法887条3項)。これを「再代襲相続」と言いますが,民法887条3項の規定によれば,「再々代襲相続」(被相続人のひ孫に代わって,被相続人の玄孫が相続人となるケース),「再々々代襲相続」…と続いていくことも考えられます(現実にはほとんどないでしょうが…)。
  なお,前記のように本来の相続人に代わって相続人となる者を,それぞれ「代襲者(代襲相続人)」,「再代襲者(再代襲相続人)」,「再々代襲者(再々代襲相続人)」…と呼びます。

※2 例えば,被相続人の直系尊属として,被相続人の父母と祖父母がいる場合は,父母と祖父母の両方が同時に相続人となるのではなく,被相続人と親等(≒血筋)の近い父母が先に相続人となり,祖父母は次順位の相続人となります(民法889条1項1号ただし書)。

※3 被相続人の兄弟姉妹が被相続人よりも前に亡くなっていたときに,被相続人の兄弟姉妹の子(=被相続人の甥・姪)がいれば,※1と同様に,その者が代わって相続人となります。しかし,昭和55年の民法の一部改正により,被相続人の兄弟姉妹の場合は,※1とは異なり,「再代襲相続」,「再々代襲相続」…は認められないことになりました(民法889条2項)。

もめない相続を。弁護士コラム – 「遺産相続で、もめないために」

 自分が亡くなった後,子どもたちが遺産をめぐって争いになるのではないかと,心配されている方がいらっしゃると思います。

そこで,今回は,そのような争いを回避するための方法について説明します。

 相続については既にコラムvol.1で説明しています。誰に何をどのように相続させるかについては法律に規定がありますが(法定相続),一方で,被相続人※は,その意思に従って,包括又は特定の名義で,その財産の全部又は一部を処分することができます(民法964条)。被相続人の処分が法定相続における民法の規定と抵触した場合には,遺留分を侵害しない限り,被相続人の意思が優先することになります。

 遺留分とは,遺産について一定の割合を受けることを保証するものであり,兄弟姉妹以外の相続人に認められます。直系尊属のみが相続人であるときは被相続人の財産の3分の1,その他の場合には被相続人の財産の2分の1が遺留分とされています(民法1028条)。「遺留分を侵害しない限り」とは,一定程度は権利を有する相続人から請求を受ける場合があるということを意味しているのです。

 もっとも,家庭裁判所の許可を受けて遺留分を放棄することは認められています(民法1043条)。したがって,取り分が少ない相続人においては遺留分をあらかじめ放棄させておくということもでき,遺産分割での争いを防ぐ良い方法といえます。

 遺産分割についての自分の意思を明らかにしておくものが遺言ですので,争いを避けるためには遺言書を作成することになります。
遺言は,民法の定める方式に従わなければ無効になってしまいますので(民法960条),注意が必要です。不明確な文言では後日の紛争を予防することができません。
具体的な分割方法を定め,それを実行する遺言執行者として弁護士を選任しておくと,遺産分割がスムーズに進むでしょう。

遺言の作成,遺言執行者の選任などについては,当事務所にご相談下さい。

※被相続人とは,相続される人,すなわち,亡くなられた方をいいます。

弁護士コラム -「相続」

山下江法律事務所 副代表の田中伸です。 

 今日は「相続」のお話です。 

 「うちは財産がないので、自分には相続なんて関係ない!」と思われている方は、是非お読みいただければと思います。

 相続は、死亡によって開始します(民法882条)。失踪宣告※(民法30条)を受けた場合も、この宣告を受けた者は死亡したものとみなされますので(民法31条)、相続が開始することになります。 

 そして、相続が開始すると、亡くなった方(以下「被相続人」と言います)の財産法上の地位(権利義務)を、特定の者(以下「相続人」と言います)が受け継ぐことになります。 

 ここで注意すべきことは、被相続人の財産法上の「義務」も、相続人は受け継ぐことになるという点です。つまり、被相続人の積極財産(不動産・預金などのプラスの財産)だけでなく、消極財産(借金などのマイナスの財産)も、相続人は受け継ぐことになります。被相続人が、多額の借金(消極財産)を残して亡くなった場合、相続人は被相続人の借金を返済しなければならなくなるのです。

 では、このような事態を避けたいときは、どうしたらいいのでしょうか。

 「相続放棄」をすればいいのです。相続放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされることから(民法939条)、被相続人の借金(消極財産)を受け継がなくて済むのです(相続放棄をすると、被相続人の積極財産も受け継がないことになってしまいますが…)。

 相続放棄をするには、相続人が、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければなりません(民法915条、938条)。相続人が「相続放棄します!」と単に宣言しただけでは、相続放棄の効果は生じませんので、前記の3か月の期間内に、忘れずに家庭裁判所に相続放棄の申述をしましょう。

 なお、相続人が被相続人の財産の全部又は一部を処分したときは、相続を単純に承認したものとみなされ(民法921条)、その後に相続放棄をすることができなくなりますので、ご注意を。

相続手続や相続放棄の申述については、まずは当事務所にご相談下さい。

※[失踪宣告について]

 失踪宣告とは、ある者(不在者)について、生死不明の状態が続き、死亡した確率が高いと考えられる場合に、一応その者の死亡を擬制する(死亡したものとみなす)制度です。

 失踪宣告には、下記の2種類がありますが、いずれも利害関係人(不在者の配偶者、父母、相続人など)が、家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをする必要があります。

① 普通失踪(民法30条1項)

   不在者の生死が7年間明らかでないとき

② 危難失踪(民法30条2項)

   戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者、その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ戦争が止んだ後、船舶が沈没した後、またはその他の危難が去った後、1年間明らかでないとき

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皆さんは遺言を書いたことはありますか?ほとんどの方はNOとおっしゃるかもしれません。「揉めるような財産などない。」「自分はまだまだ若いから書く必要がない。」「そんな大事なことを今決められない。」そんな声が聞こえてきます。 しかし、若い方でも小さいお子さんがいる方は特に遺言を書いていただきたいと思います。

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高齢で身寄りがない近所に住むAさんを、何年も前から私が身のまわりの世話をしていました。Aさんからは生前「いつもお世話になっているから、私の財産はあなたにあげる」と言われていましたが、遺言はありません。私がAさんの遺産を受け取ることはできるでしょうか。

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遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります。しかし、相続人のなかに行方不明者がおり、当該相続人を遺産分割協議に参加させようと思ってもできないというケースがあります。このような場合、どうすればよいのでしょうか。

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亡くなった親の介護をしていた相続人は通常より多くの遺産を取得することが出来るのか

自分が親の面倒を見ていた(介護をしていた)のだから、遺産は他の兄弟より多く貰うべきだと思う方、多いのではないでしょうか。では実際に、多くもらうことはできるのでしょうか。

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2015年1月1日に、相続税が改正します。どう変わるのでしょうか。

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遺言書で自分の相続する財産がなかったら・・・

母が亡くなり、遺言書が出てきました。その遺言書には、他の兄弟姉妹に対しては財産を分け与えるが、自分には相続させる財産はないという内容でした。このような場合、どうしたらいいのしょうか。遺言書通りに財産をもらえず、諦めるしかないのでしょうか。それとも、財産を分けてもらう方法があるのでしょうか。

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